Compass№4
「JBA BAR SUZUKI」
「写真」
いつものようにバードアを開け、
安定感たっぷりの
一枚板のカウンター中央に座り、
1,000種以上の洋酒ボトルが並ぶ
バックバーの中央上部の
額縁に掲げられている
洋酒のアロマを確認しているのであろう
老紳士のバーテンダーの写真に一礼する。
その写真の主は、
嘗て日本を代表するバーテンダーとして
洋酒入門書やカクテルブックを手がけ、
日本のバー文化発展に全力で尽くされた
今は亡き 鈴木 昇 マスターである。
1967年に銀座すずらん通りに
このお店を開店して24年、
1991年にソニー通りに移転して早10年。
鈴木マスターが亡き後も
鈴木君子ママがその意志を受け継ぎ、
若手バーテンダー達に囲まれながら
和気藹々と昔と変わらぬ何とも温かい
「銀座のバー」の雰囲気を
大切に守り続けていらっしゃる
大変居心地の良いお店である。
「味わい」
私が上京後、初めて出会ったバーが
このオーセンティック・バーである。
その当時、鈴木ママと
現在の「洋酒博物館」オーナーの北村氏が
バードアを開けしなに
笑顔でいつも優しく迎えてくださり、
好きなウィスキーを嗜みながら、
洋酒の話や昔の銀座のお話しなど
ついつい色々な話に
お付き合いしていただいた思い出がある。
現在、ウィスキーの種類は多種あるが、
その源流をたどれば、
最終的にはスコッチ・ウィスキーにたどり着くであろう。
スコッチ・ウィスキーは大別して2タイプあり、
一つはウィスキーの原料である大麦を
ピート炭で燻し蒸留することで、
(ピート炭=石炭の一種で品質が悪い新炭)
出来上がる原料に大麦だけを使用した
モルト・ウィスキー。
もう一つが、そのモルト・ウィスキーに
トウモロコシなどを原料としたウィスキーである
グレーン・ウィスキーを混合、つまりブレンドし、
作り上げたブレンデッド・ウィスキーである。
近年はモルトウィスキーブームとも言われ、
私もその虜になった一人であるが、
こちらのお店でもモルトを飲む方が急増していると聞く。
これも時代の流れなのかもしれないが、
モルトウィスキー、ブレンデッドウィスキー、
それぞれに大変深い味わいがあり
優劣付けがたいものがあるが、
これからも世評等に惑わされぬ様に
自分の舌で美味しいと思うウィスキーを
見つけだし存分に堪能したく、
今日もバーへ行くのである。
「JBA BAR SUZUKI」
兵東京都中央区銀座5-4-15
西伍ビル 4F
(銀座ソニー通り)
03-3572-0546
最寄り駅
地下鉄銀座駅B7出口より徒歩1分
お店一口メモ・・・
君子ママの笑顔がとても素敵な
女性も気軽に入れる雰囲気のバーです。
洋酒・カクテルともに大変豊富で、
スタッフも親切丁寧な方ばかりです。
テーブルチャージ1,200円。
銀座の相場というところでしょうか。。
洋酒を入門なさりたいという方には
是非お勧めいたします。