Compass
№98
「バーロブロブ(BarLOBROB)」
「ガード下」
今宵は「神田JRガード下」。
立ち呑み屋をはじめとするいかにも江戸下町らしい
大衆酒場の宝庫であり、平日でも割と早い時間から
周辺で働く企業サラリーマン達が安くて旨いお酒と
アテでワイワイやっている光景を目にする街である。
お客さんは背広姿が大半であり、「お父さん達の街」の
表現がぴったりな私の大好きな街の一つであろう。
その北側にあるのが「神田ふれあい通り」。
通りをゆっくり歩くと1軒のお店の大きな看板文字が
皆さんの目にもすぐ飛び込んでくるはずだ。
「バーロブロブ(BarLOBROB)」。
2005年9月に開店したスタンディングバー。
明るい木目のバードアをスッと開けると笑顔が素敵な
広瀬オーナーご夫妻がいらっしゃいませと迎えてくれる。
カウンター板は全てニッカの使用済みウイスキー樽再生材。
その大変温かみのあるカウンターに立ち、 スーパーニッカを
ウィルキンソンのソーダで割ってもらう。これが300円。
支払いはキャッシュオンデリバリー制。つまり前金制。
店主の広瀬寿彰氏は私の地元である北海道を第2の故郷とし、
ニッカウヰスキー余市工場のすぐ側にある柿崎商店の定食や
札幌月寒ツキサップジンギスカンで食べる羊肉といった
旨いモノ話に花が咲く。北海道もさることながら東京を中心に
食べ歩き、呑み歩きを30年以上してきた広瀬氏。
さすがに私もその深く広い知識には正直かなわないであろう。
「銀座クール」をはじめ氏が足繁く通ったバーも相当数ある。
「立呑」
さて2杯目はデュワーズをウイスキーソーダにしてもらう。
アテは通称「スパサラ」ことスパゲティサラダ300円。
寿彰氏が毎日12:00過ぎから仕込んでいるというこの一品は
タップリとしたボリューム、そして味付けともに申し分ない。
「これもオススメなんですよ」と目の前に出された一皿は
なんと「コハダ」。わざわざ熊本から定期的に空輸するという
このコハダは寿彰氏が熊本に行った際にその味に惚れ込み、
取り扱っているお店に無理矢理頼み込んで仕入れている。
もちろん300円。このコストパフォーマンスには脱帽。
「これはついつい日本酒行きたくなりますよね」と話すと
「じゃあこれでどうでしょうか」と登場したのは石川県の
吉田酒造で造られる銘酒「手取川 大吟醸 吉田蔵」。
ここではなんとこれを400円で提供しているという。
淡麗な味わいはコハダにもピッタリな食中の佳酒であろう。
この他にもスモークサーモンや生ハムを使用する本格ピザ、
手羽先の中華風煮等のメニュー達とウイスキー、ワイン、
その他ズラリと並んだお酒達は呑み手を大いに喜ばせてくれる。
2Fには14~15名前後が入れるパーティースペースもあり、
ニッカの使用済みウイスキー樽をテーブルにしてワイワイと
仲間で盛り上がれそうな空間があるところもポイントである。
しかし何よりは広瀬ご夫妻の何とも優しく温かな接客といえる。
これからは神田へ足を運ぶ機会がグッと増えそうだ。
「バーロブロブ(BarLOBROB)」
東京都千代田区鍛冶町2-11-18
神田ふれあい通り JR高架下
03-5294-3331
最寄り駅
JR・地下鉄神田駅より徒歩5分
お店一口メモ・・・
「仕事の合間にちょっと」というような
イメージで名付けたという店名ロブロブ。
16:30から営業しているところも嬉しいです。
清潔感あふれる店内、温かなご夫妻の接客、
大変リーズナブルな料理とお酒がきっと
バーファンのお腹と舌と心を満足させ、
明日への活力を養ってくれることと思います。
旨い店情報も幅広くお持ちになる広瀬さんに
オススメ店を聞いてみるなんてのもいいですね。
神田の立ち呑みというとなかなか女性は
行きづらいという印象もありますが
ロブロブならそんな心配は無用ですよ。
神田に行くなら是非とも立ち寄りたいお店です。
※大変残念ながらご閉店なさいました。