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№86     

「居酒屋ペルル」


 

「笑巣」

 

西武新宿線沿線のこの街はその名の通り

 

古の時代鷺が宿るとされていた森に

 

建立されたお宮さんがその地名の由来となっている。

 

現在でもこの近くの石神井川などでは

 

美しき白鷺の姿をまれに見かけるときもあり

 

遙か昔にこの地を多くの鷺達が飛行する姿を

 

水面を眺めながら想像すると何だか嬉しい。

 

さて目指す一軒は鷺宮駅の改札を出て徒歩1~2分。

 

どこかで見たことのあるような煉瓦壁の建物。

 

木製のバードアも何だかイイ味を出している。

 

静かに扉を開けるとカウンターの中には

 

白髪に白ヒゲをたくわえ眼鏡姿のスラッとした

 

どこかにくめない老紳士とお手伝いと思われる

 

若い女性のお二人が笑顔で迎えてくれる。

 

マスターの顔もこれまたどこかでと思ったら

 

このお店は別名「バー魔の巣」と呼ばれているのだ。

 

「おっ!?」と思った方はなかなかのアニメファン。

 

そう、アニメ「笑うセールスマン」に登場する

 

あのバーのモデルとなったのがこのお店である。

 

1960年開店の老舗本格バー「居酒屋ペルル」。


「洒落」

 

「ワイン無しでは生きていけないねぇ」と語る

 

古川マスターは外見こそアニメに登場する

 

マスターそっくりでついジロジロ見てしまうのだが

 

大きく違うところは話し好きでダジャレ好きな所。

 

御歳はもう75を越えているが老いてますます盛ん。

 

私がギムレットを頼んだときなどは

 

「ギムレットを飲むのはギム(義務)ねっと。」

 

などと思わずズッコケたくなるヤツを連発する。

 

ストゥールに座る我々の後ろにあるテーブルには

 

不敵な笑みを浮かべる喪黒福造と眠そうな目で

 

グラスを磨くマスターの人形が仲良く並んでおり

 

今すぐにもアニメのテーマ曲が流れてきそうだ。

 

今宵はブラックニッカのハイボールを呑みながら

 

スキーに行った話などで盛り上がる。

 

角のハイボールも佳いが私にはやはりこれだ。

 

ちなみにこのお店ではボトルでブラックニッカを

 

キープ出来たりもする。値段は4,500円也。

 

アテはヒロインチーズ。由来はお店で聞いて欲しい。

 

私は北海道生まれ。マスターは長野生まれ。

 

これでも私は一応学生時代にスキー部の主将

 

なんて肩書きを持っていたりもするのだ。

 

マスターも現役のスキーヤーだから本当にお若い。

 

「長野へは社員旅行でスキーに行ったりもしましたよ。」

 

「北海道で滑っていたらこっちの雪はひどいもんだ。」

 

「半分は酒呑み目的の慰安旅行ですから4~5本滑ったら

 

さっさと止めて旅館で真澄の熱燗で一杯って感じですよ。」

 

ってなことで話題は尽きることなく夜も更けていく。

 

 


「居酒屋ペルル」

 

東京都中野区鷺宮3-18-13

 

03-3338-8484

 

http://www.heart-beat-nakano.com/shop/s11/11090.html

 

最寄り駅

 

西武新宿線鷺宮駅より徒歩2分

 

お店一口メモ・・・

 

鷺宮周辺の気さくな地元のお客さん達で

 

いつも大変賑わうアットホームなお店です。

 

カウンターの周りは笑い声で溢れています。

 

マスターが作るオリジナルカクテルの

 

名前にも得意のダジャレが巧み?!に

 

使われているのも面白ポイントです。

 

ちなみにカクテル一杯700円前後。

 

場所柄もありお勘定はとてもリーズナブルで

 

初めての方でも安心できますよ。

 

今宵もきっと古川マスターのエッジの効いた?!

 

ダジャレがビシバシ飛んでいることでしょう。