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№81     

メルシャン軽井沢蒸留所・東京會舘シェ・ロッシニ軽井沢店


 

「三人」

 

長野県北東部、浅間山南麓の町「御代田」。

 

軽井沢からローカル線「しなの鉄道」に乗車し

 

美しい自然の中をワンマン列車が走ること15分。

 

大変静かなゆったりと時が流れるこの町に着く。

 

私が何故この町を訪れたかというと

 

とある蒸留所を詣でるためである。

 

昭和21年に「オーシャンウィスキー」を輩出した

 

大黒葡萄酒、現在のメルシャン株式会社。

 

その軽井沢蒸留所を見学するべく遙々参ったのだ。

 

この蒸留所は1956年2月に創業し

 

以来浅間山の雪解け水が生み出す清涼な

 

伏流水を使用した良質のモルトウィスキーを

 

現在ではわずか3人の職人さんの手によって

 

我々飲み手に輩出し続けているのには驚く。

 

白樺やカラ松が美しく生い茂る深緑の中に

 

思っていたより割と小さな木造貯蔵庫達が並ぶ。

 

早速ウイスキーの製造工程を見学する。

 

ボディが乳白色した単式の蒸留器は

 

小型なつくりがどこか愛くるしさを感じさせる。

 

 


「意気」

 

見学後メルシャンプラザ内の試飲コーナーにて

 

無料で「軽井沢17年」を呑ませていただく。

 

このウイスキーは昭和51年に初出荷した

 

樽熟成31年の初代「軽井沢」原酒から

 

貯蔵17年までの歴代原酒を全てブレンドした

 

チーフブレンダー高田良二氏の意気込み溢れる

 

味わい深いシングルモルトブレンドウイスキー。

 

2杯目には有料ではあるが折角なので奮発して

 

シングルカスクのビンテージ30年をお願いする。

 

有料ウイスキー試飲はポットスティルのロゴと

 

軽井沢蒸留所のネームが入ったショットグラスを

 

お土産として持ち帰る事が出来るのが嬉しい。

 

グラスに注がれたやや褐色を帯びた琥珀色の液体は

 

そのグラスを手に持っているだけでも

 

甘く上品な香りが鼻の奥まで伝わってくる。

 

飲み口は思った以上に丸みがありスッとノドを通る。

 

素晴らしいモルトウイスキーを堪能した後

 

少し腹も空いたので同じ敷地内にある

 

「東京會舘シェ・ロッシニ軽井沢店」へ。

 

その時お客はたまたま私一人であったので

 

白バーコートを羽織ったスタッフの方が

 

「このお店で一番眺めが美しい席へどうぞ」と

 

最特等席をわざわざご用意してくれた。

 

大型のガラス窓からは遠くには浅間山、

 

眼前には美しい白樺林が左右に広がる姿を

 

静かなBGMとともに静かに眺める事が出来る。

 

まるで林に囲まれた大草原にテーブルを用意し

 

ゆったりと自然を眺めつつ食事を愉しむようだ。

 

軽井沢産のチーズをはじめ地元の食材を使用した

 

伝統的なフランス料理をメルシャンが取り扱う

 

ワインやモルトとともに堪能することが出来る。

 

食後には春から秋にかけてフランスを中心とした

 

ヨーロッパの近・現代美術が展覧されている

 

メルシャン軽井沢美術館美術棟でゆっくりと

 

東京へ出発するまでの時間を過ごすとしよう。

 

 

 


メルシャン軽井沢蒸留所・東京會舘シェ・ロッシニ軽井沢店

 

長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1795-2

 

0267-32-2006

 

http://www.mercian.co.jp/karuizawa/

 

最寄り駅

 

JR長野新幹線軽井沢駅乗り換え

 

しなの鉄道

 

御代田(みよた)駅より徒歩7分

 

お店一口メモ・・・

 

軽井沢の美しい緑溢れる自然の中

 

蔦が絡まる貯蔵庫の中で

 

静かに横たわるモルト樽達。

 

樽熟に使用される樽はオロロソ・タイプの

 

熟成に使用されたシェリー樽を輸入。

 

貯蔵庫内はその樽の中で活きている

 

ウイスキー達の放つ香りが充満しています。

 

フレンチレストラン「シェ・ロッシニ」では

 

軽井沢で採れたキノコや野草などを

 

素材を十分に生かした多彩な料理が

 

常識的な料金にて愉しむことが出来ます。

 

いずれもメルシャン軽井沢美術館敷地内に

 

建物はございますのでぜひどうぞ。