Compass№8      

「TENDER」


 

「技術」

 

上田 和男氏。

 

「ミスター・ハードシェイク」として

 

バーテンダー業界ではもちろんのこと

 

カクテルファンの方々の間でも

 

最も有名なバーテンダーであり

 

そのお名前をご存じの方も多いであろう。

 

北海道の酪農の街、茶内町ご出身で

 

上京後は一流バーテンダーの登竜門と言われた

 

名門「東京會舘」にてその技術を研鑽なさった後

 

銀座・資生堂パーラービル「ロオジエ」の

 

チーフバーテンダーとしてご経験を積み重ね

 

そのロオジエの雰囲気をそのままに

 

能楽堂ビル内「TENDER」のオーナーバーテンダーとして

 

益々ご活躍なさっている一級のバーテンダーである。

 

上田さんの著書「Cocktail Technic(カクテルテクニック)」や

 

「カクテル HANDBOOK」は

 

これから技術を磨こうとする若手バーテンダーや

 

カクテル好きな一般の方々のバイブルともなっており

 

斯くある私も勉強させて頂いた一冊である。

 

全日本バーテンダー協会カクテルコンテスト全国優勝

 

日本バーテンダー協会ベスト・バーテンダー賞受賞

 

スコッチウィスキー・カクテルコンクール優勝

 

その他数多くのコンクール入賞ご経験からも

 

氏のカクテル作りの技術が間違いなく

 

折り紙付きであることはもはや言う必要も無いであろう。

 

 


「文化」

 

「TENDER」の扉を開け

 

広々とした店内に入ると思わず懐かしくなる。

 

あれは名店「ロオジエ」のバックバーではないか。

 

どこかホッとしながらカウンターの中央席に座り

 

軽くビールで喉を湿らせてから

 

氏の創作カクテルの代表作である

 

「シティ・コーラル」をオーダーする。

 

このカクテルは1984年の

 

全国カクテルコンテスト優勝作品であり

 

同年の国際カクテルコンペティション日本代表の

 

グリーンとブルーのコントラストが

 

大変鮮やかなカクテルである。

 

近年CCS(カクテルコミュニケーションソサエティー)

 

を創立した現在カクテルアーティスト、コミッティとして

 

バーテンダーと愛飲家・カクテルファンとの

 

酒文化・歴史の知識・意見交流の場の提供に

 

一層の力を入れられている。

 

その上田さんと同じく私も北海道出身者、

 

俗に言う「道産子(どさんこ)」であり

 

上田さんと同様に私も道東(私の場合は釧路)での

 

冬の寒さ厳しい生活を経験したこともある。

 

そんな田舎者にとってはバーの聖地、銀座で成功し

 

その名声を轟かす偉人:上田さんは

 

道産子として尊敬してやまない誇りでもある。

 

一見すると天才ジャズピアニストである

 

ビル・エヴァンスを彷彿とさせる知的で繊細な

 

印象を受けるが実は大変気さくな上田さん。

 

久々に北海道の田舎話などで盛り上がるとしようか。

 

  


「TENDER」

 

東京都中央区銀座6-5-15

 

能楽堂ビル5F

 

03-3571-8343

 

Cocktail Academy HP

 

http://www.cocktail-academy.co.jp/

 

最寄り駅

 

地下鉄銀座駅B7出口より徒歩3分

 

有楽町マリオンより徒歩4分

 

お店一口メモ・・・

 

カクテルファンならぜひ一度は足を運んでみたい

 

という方も大変多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

眼前で見る上田さんのシェイキングは迫力の一言です。

 

作り上げられたカクテルはどれも

 

大変クリーミーな仕上がりで飲み手を

 

心地よい世界へ誘ってくれます。

 

これぞ銀座の一級バーという内装の店内、

 

襟を正して美酒を愉しみたいですね。