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№76     

ニッカウヰスキー余市原酒蒸留所「ウイスキー倶楽部」


 

「北生」

 

北海道積丹(しゃこたん)半島の付け根の町

 

北海道余市郡「余市町」。

 

日本海に面する人口約25,000人の

 

海産物・農産物が大変豊富な港町である。

 

ウイスキーファンならきっと一度は訪れてみたい町名であろう。

 

「国産ウイスキーの父」とも言われる

 

国産ウイスキー造りの第一人者:竹鶴政孝氏が

 

ウイスキー蒸留学を心と身体で学んだスコットランド

 

その気候や風土が最も似通っているとされるのがここ「余市」であり

 

最愛の伴侶リタ夫人とともに

 

ウイスキー造りに人生を傾けた地だ。

 

「余市」の名はアイヌ語の「イヨテイーン」が語源だとされており

 

ヘビのように曲がりくねった

 

大きな川のある所の意味だとされる。

 

秋の「余市川」河口は産卵期を迎えたシャケ達が遡上し

 

水面を元気良く跳ねる姿も見ることが出来る。

 

この町のシンボルマークであり、前述の竹鶴政孝氏が一心に

 

ウイスキー造りを行ったのが敷地面積132,000㎡を持つ

 

「ニッカウヰスキー余市原酒蒸留所」。

 

この工場にて蒸留されたウィスキー

 

「シングルカスク余市10年」は

 

東京、英国エディンバラ、米国ケンタッキーの

 

世界3ケ所で行われた英国「ウイスキーマガジン」主催の

 

テイスティング会にて世界各国の名だたるウィスキーを押さえ

 

2001年度世界最高得点を獲得。

 

「ジャパニーズウイスキー」の素晴らしさを

 

存分に世界へアピールすることとなった。 


「聖地」

 

工場敷地内にはポットスチルが並ぶ蒸溜棟や

 

樽の組立、樽の内側を焼く作業を行う(これをチャーと言いますが)

 

製樽棟などウイスキーを生産する過程を

 

眼前で見ることが出来る他、

 

ウイスキーの歴史や製造方法などを

 

展示物により学習できる「ウイスキー博物館」や

 

ガイド付き見学コースの最終地点「ゲストハウス」では

 

アルコール度数が高まっている樽出原酒をはじめ、

 

余市工場で生産された良質のウイスキーを

 

試飲することが出来る。

 

前述のウイスキー博物館内に設置されている

 

スコットランドのパブを思わせるカウンターバー

 

「ウイスキー倶楽部」のバックバー上には

 

スコットランドを走行する姿が容易に想像される

 

カラフルな蒸気機関車のオブジェが飾られ、

 

タータンチェックのカウンタークロスの赤が

 

木製の止まり木に映え大変美しく、

 

原酒試飲の他に世界一に輝いたシングルカスク余市10年や

 

まさに「佳酒」の名にふさわしい「竹鶴35年」をはじめとする

 

ニッカが世の中に送り出す素晴らしいお酒達、

 

そしてニッカが輸入を取り扱う国外産の洋酒等を

 

有料で味わうことが出来る。

 

もちろん一般のバーで飲むよりも格安であることは言うまでもない。

 

「工場直営バー」というより「工場直結バー」である。。

 

カウンターバー内にはキリッと背筋が伸び、

 

紺スーツに赤ネクタイが清潔感を漂わせる

 

お二人の老紳士が立つ。永岡さんと鶴羽さん。

 

お二人ともウイスキー造り四十数年の

 

キャリアを持つヴェテランの工員である。

 

ウイスキー造りの現場を隅々まで知るお二人からは、

 

その原料から工程、そして苦労話までを

 

ウイスキーや工場オススメのチーズを頂きながら

 

事細かくお話をお伺いすることが出来る。

 

お話し下さるお二人の目の奥からは

 

「ニッカウヰスキーの誇り」を伝える

 

力強く自信に溢れた眼力を感じずにはいられない。

 

大自然に囲まれた「国産ウィスキーの聖地」で

 

呑む一杯はまこと格別至極の味わいである。

 


ニッカウヰスキー余市原酒蒸留所「ウイスキー倶楽部」

 

北海道余市郡余市町黒川町 7-6

 

0135-23-3131

 

http://www.nikka.com/know/yoichi/

 

最寄り駅

 

JR余市駅より徒歩3分

 

お店一口メモ・・・

 

豊かな自然、澄んだ水、透き通った空気に囲まれた

 

ニッカウヰスキー余市原酒蒸留所。

 

ウイスキーファンをはじめお酒好きな方々が

 

是非一度は訪れたいと憧れる地です。

 

我が国におけるウイスキー文化を肌と喉で

 

ぜひとも感じてみてください。

 

四季それぞれにその顔を変える余市工場。

 

きっと一度ならず二度、三度と足を運びたくなるはずです。