Compass

№75     

カウンターバー「アールB」


 

「決意」

 

カクテルの街「宇都宮」に麗人バーテンダーあり。

 

今宵は宇都宮の歓楽街「泉町」側に建つとあるビル2Fへ。

 

一見さんではなかなか見つけにくい静かなこの場所で

 

その素敵な彼女は毎日自分のBarに灯を点す。

 

店名は「カウンターバー アールB」。

 

階段を静かに上りバードアをスッと押すと

 

スティービー・ワンダーの曲が心地よく響いており

 

まだ開店時間から間もないというのに

 

もう何時間も前からお店を開けていたような

 

「場の温まり」を感じるお店である。

 

カウンターの形がバックバーを背中にした

 

コの字型をしているところも大変印象的だ。

 

BGMはオーナーが好きだという80年代を中心とした

 

洋系ポップスからジャズまで幅広く

 

その時々で好きな曲をかけることが多いという。

 

このリラックス出来る空気・空間を作り出している女性こそ

 

崎山三穂オーナーバーテンダー。

 

やや大きめの襟が特徴的な清潔感ある白ワイシャツに

 

襟のピンバッチがアクセントとなった黒いベストが

 

大変似合うどこかタヌキ顔(本人談)の

 

黒髪美しい容姿端麗な女性バーテンダーである。

 

(個人的には弥勒菩薩のようなお顔だと思うことを付け加える。)

 

バーテンダーとしてのご経験はまだ数年ということであり

 

それ以前は事務系のOLをやっていたそうであるが

 

その頃にバーに行く機会も多かったそうだが

 

何せ本格バー、特に地方の割と小さいバーともなると

 

お客さんと言えば年配の男性客が大半を占め

 

女性が入るのにはなかなかの覚悟がいる。

 

実際にもかなり酔った地元のお客さんが

 

口うるさく言い寄ってくることもあったとの事。

 

そんなご経験から「『カクテルの街』である宇都宮に

 

女性が安心してゆっくりとくつろぎながらお酒を愉しむ

 

ある意味でカフェ感覚のカウンターバーをやってみたい。」

 

と思い立ちOLを辞めてこの世界へ単身飛び込んできた

 

筋がピンと一本通った女性バーテンダーなのである。

 

また、彼女の大きな魅力はその屈託のない話し方だ。

 

栃木弁を交えながら実に軽快な会話でお客さんを愉しませる。

 

そして私同様に大酒呑みである点も外せないポイントだ。

 

 


「気鋭」

 

バックバーを眺めると本格バーに必要なお酒達は

 

当然豊富に揃っていることがすぐ分かるのだが、

 

ふと見ると焼酎ブームの火付け役の一端を担った

 

鹿児島の芋焼酎「富乃宝山」が並んでいるのに気づく。

 

「今私は焼酎やワインに大変ハマっておりまして

 

お店でも力を入れているお酒の一つなんですよ。」

 

本格焼酎が苦手の方でもスムーズに喉を通るこの佳酒を

 

ある方から薦められ飲むほどにその深さに虜となったという。

 

やはりおすすめの飲み方はロック。

 

これが芋かというまろやかな口当たりに

 

ふわっと華やかな香りが鼻の奥へ届く。

 

このお酒を造る鹿児島:西酒造株式会社の

 

専務である西 陽一郎氏も崎山さん同様に

 

まだお若いながらもご自分の思いやこだわりを

 

形にしていく焼酎界の注目人物のお一人であり、

 

まだ焼酎ブーム到来前、東京農大在学中に

 

西氏のご実家が芋焼酎の蔵とのことで

 

馬鹿にした同級生を見返そうと造り上げた焼酎こそが

 

「富乃宝山」であることは大変有名な話だが、

 

崎山さんにも西氏にも負けず劣らない

 

「自分の道」を一心に進もうとする気概が

 

素敵な笑顔の奥からもひしひしと感じられる。

 

現在お客様層はやはり中高年の男性が中心とのことだが

 

ソムリエの勉強もしているという崎山さんの作るカクテルは

 

ワインやサングリアを使用したカクテルも豊富なことからも

 

是非とも女性の皆さんにお酒を愉しんでもらいたい

 

アットホームなカウンターバーである。

 

 

 


カウンターバー「アールB」

 

栃木県宇都宮市本町6-8

 

陽北ビル 2F

 

028-643-0206

 

(宇都宮カクテル倶楽部内ホームページ)

 

http://www.ucclub.net/info_rb01.html

 

最寄り駅

 

東武宇都宮駅より徒歩7分

 

お店一口メモ・・・

 

お店は遅い時間になるとお客さんが多くなりますので

 

崎山さんとお酒の話や音楽の話をゆっくりなさるのならば

 

私としては開店直後がオススメだと思います。

 

「まだバーに一度も行ったことがない」という女性の方に

 

ぜひともこのお店でバーの世界への一歩を

 

お踏みになってみてはいかがでしょうか。

 

※大変残念ながらご閉店なさいました。