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№73     

「BAR RASCAL」


 

「聖酒」

 

長野県東部、浅間山を望む旧宿場町であり

 

避暑地としても名高い高原の街、軽井沢。

 

夏には深緑、秋には紅葉の美しき自然の中に

 

教会や別荘が建ち並ぶ姿は異国情緒タップリであり

 

その澄んだ空気は都会で汚れた身体をどこか癒してくれる。

 

ここ最近ではメインストリート旧軽銀座を中心に

 

おしゃれなレストランや各種ショップが次々と開店し

 

信州のリトル表参道、リトル青山という感もあり。

 

軽井沢駅から真っ直ぐと伸びるこの通りを抜け

 

もう少し歩くと軽井沢を代表的する教会建物の一つ

 

昭和10年に建造された東欧の薫り漂う

 

「聖パウロカトリック教会」が見えてくる。

 

美しきこの教会に立ち寄り身を清めたいと思いつつも

 

酒の神バッカスがこちらこちらと手招きするので

 

教会の前を通り過ぎると赤いトタン屋根に

 

白く塗られた木壁の建物の正面上部に

 

大変見慣れたジンのラベル文字の姿が見える。

 

そう、ジンのトップブランドであり

 

ジュニパー・ベリーの香り高く

 

のど越しも実に男性的で力強い

 

「正統派」ロンドンドライジンの雄、

 

「ゴードンジン」の文字である。

 

この地でお店を開店して30年の老舗、

 

ゴードンジンのオフィシャルバー「RASCAL」。

 

笑顔が素敵で口髭が佳くお似合いになる

 

オーナーの白田康衛氏はここ軽井沢を愛し

 

その発展に尽力するバイタリティー溢れる方であり

 

このお店の他にもカフェ等をご経営なさっている。

 

 


「旧軽」

 

ジンやウオツカ、バーボン、ラムなどが並ぶ

 

使い込まれたカウンター板に肘をつきながら

 

ゴードンのジントニックで渇いた喉を潤す。

 

バックバーの棚にはビートルズやイエスなど

 

1960年代から70年代を中心に

 

ROCKやSOULのアナログ盤が

 

ズラッと仕舞い込まれており

 

中には大変稀少な名盤の姿もある。

 

「軽井沢でバーを始めて30年だけど

 

開店当時は軽井沢にバーなど一軒も無く

 

それ以来もホテルバーなんかを除くと

 

純粋に「バー」の看板を出しているお店は

 

恐らくウチくらいかもしれないね。」

 

とウィスキーの肴にピッタリな

 

昔の軽井沢話を笑顔で話してくれる。

 

その肴話しも旨いモノばかりなのだが

 

ワインに合いそうなパルメジャーノチーズや

 

特製のラスカルオムレツ、ポテトサラダなど

 

こだわりあるフード類もイケてるものばかり。

 

ちなみにワインもフランス、イタリア

 

オーストリア、アメリカ、チリなど

 

各地の赤、白ワイン達が取り揃い

 

その中にはグラッパなどの姿も見える。

 

飲食店の閉店時間が割と早い軽井沢において

 

深夜まで営業するラスカルは

 

夜遅くまで地元のお客さんがマスターと

 

話などしながらゆったりと時を過ごす。

 

そろそろ切り上げようと珈琲を頼むと

 

香り佳いエスプレッソが運ばれてくる。

 

スッと口に含むとこの味は私の大好きな

 

イタリアのトップエスプレッソロースター

 

「illy」の豆を使用したものだ

 

お酒の飲めないお客様でもこの一杯を

 

飲みながら音楽の話などで白田さんと

 

盛り上がるのも大いにアリだろうな。

 

軽井沢のメインバーの一つとして

 

これからも見守っていきたいバーである。

 

 


「BAR RASCAL」

 

長野県軽井沢町軽井沢191-2

 

0267-42-6760

 

http://www.placette.co.jp/rascal/

 

最寄り駅

 

草軽交通バス旧軽井沢バス停より徒歩8分

 

お店一口メモ・・・

 

白田さんをはじめスタッフは勿論

 

地元のお客様も大変フレンドリーで

 

温かいアットホームな雰囲気に

 

思わず会話が弾んでしまうバーです。

 

11月から3月までは休業期間を

 

設けていらっしゃいます。

 

営業期間内は年中無休です。

 

9:00pm以降のみチャージ300円。

 

カクテルは800円からとなっています。

 

お昼はレストランカフェとしても

 

営業なさってますので大変便利です。

 

軽井沢の情報は是非生き字引である

 

白田さんにお聞きしてみては?