Compass

№72     

BAR & Delicious Kitchen 「AJARA」


 

「高僧」

 

天下の台所、大阪府の中央に位置しながら

 

南大阪と呼ばれる古くからの商人街「堺市」。

 

この地に生まれ多くの民を救済したとされる

 

奈良時代を代表する高僧「行基」。

 

彼が民衆の救済を目的として深い井戸を

 

建設したことが地の由来となった

 

泉北高速鉄道沿線の街、「深井」。

 

「戯」の文字を古典読みしたネーミングのバーが

 

この駅を降りて5分ほど歩いた場所にある。

 

BAR & Delicious Kitchen

 

「AJARA」。

 

バードアを開けると清潔感溢れる店内には

 

オーナーやスタッフの皆さんが作り出した

 

「空気の温もり・温かさ」というものを

 

肌で感じ思わずホッとしてしまう。

 

白色のバックバーには洋酒を中心に

 

焼酎等もずらり取り揃い酒瓶達が強く輝く。

 

オーナーバーテンダーはスッキリとした短髪、

 

そして顎の短髭が佳く栄える西尾圭司氏。

 

自他共に認める話し好きな西尾さんのお話しぶりは

 

まるで「柔らかな井筒和幸監督」といった風である。

 

西尾さんはバーテンダーをなさる以前

 

美容師としてお働きになったご経験や

 

東京にある某大手情報提供ビジネス会社で

 

コピーライターとしてのご経験もあったが

 

お酒、そしてバーが大好きなことから

 

バーテンダー道を選択するため帰阪を決め

 

そしてこの地で10年、地元に根付いた

 

アットホームなお店を営み続けていらっしゃる。

 

 


「五常」

 

焼酎にも力を入れていらっしゃる西尾さんは

 

ここ深井で「深井焼酎乙の会」を発足し

 

宮崎へ向かい焼酎蔵を訪問見学なさったり、

 

蔵元さんを招き試飲会を開催するなど

 

大変積極的にご活動展開なさる一面も。

 

西尾さんとバーやお酒の話をする中で

 

氏の言葉から大変佳く伝わってくること、

 

それはご自身の職業であるバーテンダー、

 

そしてカウンターを挟んだ飲み手側である

 

我々お客さんの両者がお互いに「五常」、

 

すなわち「仁・義・礼・智・信」の5つの

 

徳を大切にしながらバーという大人の空間で

 

時を過ごすことがバーを何より愉しむことだ

 

ということであり「バーテンダーの姿勢」

 

というものを常に真剣に考えていらっしゃる。

 

以前西尾さんが日本バーテンダー協会主催の

 

Jrバーテンダーカクテルコンペティションの

 

司会をなさった際に演技を終えて気がゆるみ

 

ネクタイなど外しだらしのない格好で

 

会場部屋外の椅子に寝そべっている所を

 

見つけた際にはお客さんの目の届く所で

 

その態度は無いぞと叱咤したそうである。

 

このエピソードからもバーテンダーとしての

 

真摯な西尾さんのスタンスに頭を下げてしまう。

 

大阪、そして関西のバーファンなら

 

是非とも一度足を伸ばして頂きたいバーである。

 

 

 


BAR & Delicious Kitchen 「AJARA」

 

大阪府堺市深井清水町3537

 

コートビレヂ赤塚101

 

072-277-6023

 

http://www.ajara-web.com/

 

最寄り駅

 

泉北高速線深井駅より徒歩5分

 

お店一口メモ・・・

 

地元深井のお酒好きなお客様が集う

 

大変アットホームなお店ですが

 

西尾さんをはじめスタッフ皆さんが

 

一見さんなどにも分け隔て無く

 

キッチリ折り目正しいサービスを

 

ご提供して下さる佳店です。

 

西尾さんはご自身のブログ

 

「酒場我道 バーテンダーの戯言」にて

 

熱い想いを綴られております。

 

こちらもバーファン必見です。