Ｃｏｍｐａｓｓ
№７１
ＣＯＣＫＴＡＩＬ ＢＡＲ 「 ＢＬＵＥ ＭＯＯＮ 」
「雲雀」
「ひばりヶ丘」という地名は私に大変馴染み深い。
実は私の知る「ひばりヶ丘」は２つあり、
その両町ともに「ひばりヶ丘団地」という
公営団地を構えている共通点を持つ。
恐らくかつては春先になると
ヒバリが空高く鳴声を響かせたことから
「ひばりヶ丘」の名が付いたのであろう。
その一つは東京の北西部、西武池袋線沿線、
東京都西東京市と東久留米市にまたがっており、
中森明菜の出身地としても有名な隣町の清瀬市に
数年前に住んでいたことがあって、
数軒のバーにも足を運んだりもした。
そしてもう一つはこの度ご紹介させて頂くお店のある
札幌市厚別区、大谷地と新札幌の間にある町だ。
長らく札幌市白石区（今の厚別区）に住んでいた
私にとっては庭みたいな場所のつもりであったが、
数年ぶりに訪れたその地はすっかりと変貌し、
スナックやバーのネオンが
私の手をどうぞどうぞと引っ張る町となっていた。
この町のとあるビルの５Ｆ、
隠れ家的で大変アットホームなオーセンティックバーが
「ＢＡＲ ＢＬＵＥ ＭＯＯＮ」である。
バードアを開けるとそのまま真っ直ぐに
ストゥールが約１２脚前後列び、
すぐ右手には、左右に伸びる止まり木、
そして止まり木中央の天井に吊された
モニターには映画等が映し出され、
ＢＧＭにはスタンダードからヴォーカル系のJAZZ、
そんな雰囲気の中、カウンター内には体格程よく
お若いながらもどこか「アニキ」と呼びたくなるような
落ち着きと優しさが自然と滲み出る
渡部裕之オーナーバーテンダーが
テキパキと仕事をこなしている。
「蒼月」
土日などにはお店の常連のお客様方と
アウトドアにもお出かけなさるという渡部さんは
年齢こそ３０歳手前でいらっしゃるが
この業界ではススキノでお母様のスナックで
バーテンダーとしてお手伝いしてから
もう１０年強というからベテランのお一人であろう。
渡部さんの作るカクテルは大変基本がしっかりとしており、
久々に「カクテルの王様」と呼ばれる
「（ドライ）マティーニ」を処方して頂いたが
ビフィータージンとノイリーのドライヴェルモットの比率も
大変私の好みである上に、
こだわりのオリーブの「塩水」漬けを
（一般的には瓶詰めの塩漬けオリーブを使用するお店が多い）
あえてカクテルグラスには入れずに
別添えで提供して下さったところに
渡部さんのカクテルへの情熱を感じるところである。
また私の隣にお座りになっていらっしゃった
男女カップルのお客様がオーダーなさった
限定のフルーティーカクテル「フレッシュベリーニ」には
新鮮なピーチを使用し、
カクテル初心者の女性の方なども
目と舌とでしっかりとその美味しさを
堪能できるカクテル作りだ。
また渡部さんはモルトウィスキーなどにも造詣深く、
数は限られるがオススメ物のモルトも
お客様へ提供なさっている。
郊外のバーということもあり、
店内は一見さんも常連さんも和気藹々とした雰囲気で
いわゆる札幌の歓楽街である「ススキノ」の
オーセンティックバーとはまたひと味違った
居心地の大変良いバーである。
店名「ＢＬＵＥ ＭＯＯＮ」は
もちろんカクテル名であるが、
なぜその名を冠したかは是非とも
お店で渡部さんに直接お伺いしてほしい。
ＣＯＣＫＴＡＩＬ ＢＡＲ 「ＢＬＵＥ ＭＯＯＮ」
札幌市厚別区厚別中央２条５丁目
ファーストビル ２Ｆ
０１１－８９５－７１５７
http://www.geocities.co.jp/Foodpia-Olive/1616/
最寄り駅
札幌市営地下鉄東西線ひばりヶ丘駅より徒歩５分
お店一口メモ・・・
お値段の方はチャージ１，０００円、
スタンダードカクテルは７００円～、
フレッシュフルーツ等のカクテルは
１，０００円～となっております。
フード類は特製ナチョス７００円、
塩水漬けオリーブ３００円などなど。
渡部さんのお人柄良く、
女性のお一人客でも安心の
家庭的な温かいお店です。
バー初心者の方も是非勇気を出して
バードアを押し開いて頂きたい一店です。
