Compass

№69     

「 ですぺら 」


 

「人継」

 

赤坂「一ツ木通り」。

 

洗練された大人の街・赤坂において

 

飲食店が連なるネオン街といえば

 

まず最初に挙げられるのはこのストリートであろう。

 

その由来は江戸時代にかごを運ぶ人が交代する

 

「人継村」という場所があったという説や、

 

大きな木が1本あったという説など、

 

色々な説を持つ赤坂を代表する通りの一つである。

 

この通りのとあるビル内に

 

「美しい本」づくりの果敢な探求者として

 

数々の伝説を生んだ南柯書局の渡辺一考氏が

 

シングル・モルトを中心に取り扱う本格バーをオープンした。

 

文壇バーとも言うべきだろうか。

 

オープンするとともに渡辺さんと交友を持つ

 

多くの執筆家や編集者の皆さんで

 

止まり木は一杯となっている。

 

根っからの関西人であり

 

東京の地理はほとんどご存じないという渡辺さんに

 

「赤坂」で出店した理由をお聞きしたところ、

 

「銀座というと家賃もごっつ高いイメージですので

 

その次ぎあたりの場所でやりたいとの思いで赤坂ですわ。

 

しかし赤坂がどんな街かはよう知りませんでしたけどね。」

 

というなんとも印象的なお返事。

 

赤坂に店を構える他のバーが

 

関西から突如乗り込んできたこのバーを

 

様々な意味で注目している中、

 

渡辺さんはあくまでマイペースなのである。 

 

 


「捨鉢」

 

バックバーにはモルトファンなら飛びついてしまうであろう

 

シグナトリー・ヴィンテージや

 

ザ・スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティーをはじめとした

 

瓶詰め業者のシングル・カスク物をはじめとする

 

大変貴重なシングルモルト・ウィスキー・ボトル達がずらりと並び

 

天井からつり下げられたスポットライトに照らされ

 

見事に輝きを放っている。

 

店名は自暴自棄、捨て鉢、やけっぱちの意を持つ

 

「デスペレート」をもじったもので、

 

モルトをはじめとしてお酒に深く造詣のある

 

渡辺さんの「月花もなくて酒のむひとり哉」の心情から

 

この名が名付けられたそうである。

 

渡辺さんはお酒だけではなく「食」の方にも大変深く

 

以前渡辺さんに都内城北方面の

 

とある蕎麦店をご紹介頂いたのだが

 

これがまた非常に美味しい蕎麦を打つお店で

 

私の知人や友人にも紹介させていただき

 

大変好評を博している。

 

そんな渡辺さんが提供してくださる

 

神戸風お好み焼きや鮭とばをはじめとする

 

フードメニューも豊富かつ美味であり

 

美味い酒と美味い料理を組み合わせることで

 

さらに至福の時を味わえる。

 

また、何と言っても大きな魅力は

 

先程述べた貴重なお酒達が

 

大変リーズナブルな価格で味わえることである。

 

渡辺さんご自身がかなりの飲み手でいらっしゃることもあり

 

決して営利を追求するのではなく

 

美味いお酒を飲み手の方々に提供したいという

 

飲み手側の気持ちが伝わってくる。

 

赤坂にまた一軒目を離せないバーが誕生した。

 

 

 


「 ですぺら 」

 

東京都港区赤坂3- 9-15

 

第2クワムラビル3F

 

03-3584-4566

 

http://www004.upp.so-net.ne.jp/despera/

 

最寄り駅

 

地下鉄丸の内線・銀座線 赤坂見附駅から徒歩3分

 

地下鉄千代田線 赤坂駅から徒歩4分

 

お店一口メモ・・・

 

モルトファンを中心に

 

ウィスキー好きな方には

 

ぜひ足を運んで頂きたいお店ですが

 

もちろん女性でも気軽に入れるお店です。

 

これからモルトを勉強したいという方は

 

率直に渡辺さんに勉強したいことを伝えて

 

色々と教えて頂くと良いことでしょう。

 

本当にリーズナブルなので

 

財布の心配せずに是非一度。

 

モルトウィスキーの虜となることは間違いありません。