Compass

№64     

SHOT BAR 「Blue Bossa」


 

「椎名」

 

西武池袋線池袋駅から各駅停車に乗り

 

一つ目の駅「椎名町」で下車する。

 

大変不思議なことに「椎名町」という名は

 

江戸時代から文献等にも登場しているが

 

その由来は全くハッキリしていない。

 

その駅の南口を出てすぐの所、

 

あたりを見渡すと飲食店自体が

 

それほど目につかないのだが

 

どちらかというと居酒屋などが多く

 

バーなど果たしてあるのかな?と

 

注意深く探していたところ、

 

ビル入り口に設置されている

 

店名の書かれた置看板を見つけ

 

早速バー入口のドアを開ける。

 

するとそこには地下へと続く階段があり

 

階段上からはフロア下にある

 

10席ほどのカウンター席と

 

テーブル席を見下ろすことが可能な

 

大変天井の高い開放的なバーが広がっていた。

 

店名「Blue Bossa」はジャズファンなら

 

お馴染みのスタンダード名曲であるが

 

トランペット奏者のケニー・ドーハムが、

 

モダンジャズのジャイアントである

 

テナーサックス奏者「ジョー・ヘン」こと

 

ジョー・ヘンダーソンの初リーダーアルバム

 

「ページ・ワン」のために提供した曲であり、

 

ボッサをジャズのオブラートに包んで

 

キレ佳く決めた哀愁感ある名曲である。

 

同アルバムの5曲目には

 

「JINRIKISHA(人力車)」という曲目もあり

 

ジョー・ヘンが日本にも

 

馴染み深い方であった事がうかがい知れる。

 

 


「潮覚」

 

そんな巨人ジョー・ヘンの眼鏡の奥からは

 

いつも優しい眼差しが溢れていたが、

 

どことなく彼と同じ眼差しで

 

お客様をいつも優しく包んでくれるのは

 

オーナーバーテンダーの宮崎誠氏。

 

「池袋からたった一駅なのに

 

ここは大変静かな街なんですよ。」と

 

落ち着いた口調で話す宮崎さんは

 

この道も長いヴェテランバーテンダーであり

 

カクテルの処方も基本を大事にしつつ

 

ご自身の色を一枚加味して作り上げる。

 

店内にはFMラジオが流れており、

 

マティーニを呑みながら目を閉じると

 

どこか海岸沿いのバーで波の音をバックに

 

ゆったりとラジオから流れる音楽を聴きながら

 

呑む感覚に非常に近いものを感じる。

 

気の知れた友人達とグラス片手に

 

色々な話で盛り上がりたい温かみのあるカウンター。

 

木目が美しいバックバーには

 

モルトウィスキーを中心に

 

ウィスキーやブランデーのボトル達が並ぶ。

 

さらに海岸気分を高めるべく潮のブーケを求め、

 

アイラモルトウィスキー「ラフロイグ」でも

 

オーダーしようか。

 

 


 

SHOT BAR 「Blue Bossa」

 

東京都豊島区南長崎1-18-16

 

アネックス目白 B1F

 

03-5996-1909

 

最寄り駅

 

西武池袋線椎名町駅より徒歩1分

 

お店一口メモ・・・

 

ノンチャージの大変良心的なお店です。

 

店内はカジュアルな雰囲気もあり

 

バー初心者の方でもリラックスして

 

お酒を愉しめる空間になっております。

 

もちろん女性も安心して入れる雰囲気です。

 

池袋の雑踏を離れて

 

ノンビリと呑みたいという方には

 

ぜひともおすすめしたい一店です。