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№58     

「CAVA?」


 

「茶店」

 

「お洒落な街」という言葉がぴったりな

 

ハイセンスなファッションの街

 

「代官山」。

 

ここ最近は本格的なカフェが

 

この街に次々とオープンしており

 

通りをゆっくり散歩していると

 

若い女性で賑わっているカフェを

 

ガラス越しに見る機会も多い。

 

中には愛犬と御一緒にゆったりと

 

エスプレッソを愉しんでいる男性なども見受けられ

 

そんな姿に私も憧れたりする。

 

どうやら「代官山でカフェ巡り」なんてのも

 

近頃では流行っているそうだ。

 

この「代官山」という地名は

 

江戸時代の小字名として登場しており、

 

代官屋敷が建っていたという説や

 

お代官様所有の山林が在ったという説があるが

 

ハッキリとしたことは分かっていない。

 

その駅前から続く「キャッスル通り」には

 

ブティックなどの小さなショップが並び、

 

それら店舗のショウウインドウには

 

洗練されたデザインの各種アイテム達が

 

歩く人々の目を楽しませてくれる。

 

しかし夜にもなるといつもは色鮮やかなこの通りも

 

静かで落ち着いた雰囲気へと変わり、

 

この通りを15年以上も見守る

 

シックな一軒の本格バーにも灯がともる。

 

バー 「CAVA?」。

 

 


「粋風」

 

入り口のドアを静かに開けると

 

やや薄暗い店内に美しくライトアップされた

 

バックバーの酒瓶やグラス達が美しく輝き

 

代官山らしい洗練された大人を思わせる

 

女性オーナーバーテンダー伊藤啓子女史が

 

優しくそして温かく迎えてくれる。

 

洋酒は一通り揃っており本格バーに間違いはない。

 

このお店にBGMは一切無く

 

一人静かにグラスを傾けたい時に訪れるのも佳し、

 

伊藤さんとお酒や日常の出来事を語らうも佳しの

 

代官山らしい“スタイリッシュ”なバーと

 

呼ぶに相応しい一軒である。

 

ただココで言う“スタイリッシュ”という言葉は

 

「流行の」という意味だけではなく

 

辞書にもある『粋な』という意味もあわせて使いたい。

 

なぜならここが代官山であることを

 

つい忘れてしまうアットホームな空気を作り出す

 

伊藤さんの決して肩肘張らないトークが

 

お客様を実に和ませてくれるというところをはじめ

 

どこか「下町のバー」の感さえあるからである。

 

「下町」と言っても人情味はもちろんのこと

 

日本で始めてバーを名乗った名店「神谷バー」も

 

浅草吾妻橋という下町に近代的なバーを

 

はじめて開店したことも考えてみると

 

下町こそ“スタイリッシュ”の原点とも言えるかもしれず

 

このお店にもそんな「スタイリッシュ=粋」な空気が

 

心地よく流れているのである。

 

「代官山のバーでマティーニを飲む」なんて聞くと

 

とても洒落た話に聞こえてしまうが

 

全く気取ることもなく自然体で呑めるというのは

 

このエリアではナカナカ貴重なお店ではなかろうか。

 

代官山フリークにはぜひオススメの一店である。

 

 


「CAVA?」

 

東京都渋谷区代官山町13-8-104

 

03-3496-5586

 

最寄り駅

 

東急東横線代官山駅より徒歩8分

 

お店一口メモ・・・

 

代官山の老舗バーでありながら

 

隠れ家的なスポットでもあるところから

 

芸能人などもお忍びで来たりします。

 

会話をBGMに素敵な夜を

 

愉しむことが出来る一軒です。