Ｃｏｍｐａｓｓ
№５１
「 ＪＥＹ’Ｓ ＢＡＲ 」
「憂歌」
我が国を代表する歴史と文化の街、国際都市：京都。
日本の古き良き伝統文化と、
現代そして未来へ向かって進む新文化とが
うまく調和・共存する理想型な都市である。
その繁華街として有名となっている木屋町。
木屋町という名前の由来は、
材木商が多く軒を連ねていたことによる。
木屋町の御池～四条間は、
現在では若者にも人気のある繁華街となっているが、
飲食街や風俗街が軒を連ね、
地元：京都の方々はもちろんのこと
国内や海外の観光客でも賑わうスポットとなっている。
その本通りからやや外れた裏通りのビル中に
いい音楽と美味い酒に出会えるカウンター１０席だけの
オーセンティックバーが店を構える。
「ＪＥＹ’Ｓ ＢＡＲ」。１９９７年開店。
水割りにはウイスキーの種類によって使用水を決め、
カクテルにはフレッシュフルーツを
スクイーズ（搾り）し使用する本格バーである。
オーナーバーテンダーの沼 幸広氏は、
ブラインド・ウイリー・マクテル、スリーピー・ジョン・エスティス、
ビッグ・ジョー・ウイリアムス、サニー・ボーイ・ウイリアムスン
といったBLUES、
そしてR&B、SOUL、GOSPELといったブラックミュージックや
WHITE BLUES、日本のブルーズ（憂歌団や有山じゅんじ氏）が
大好きなオーナーであり、
音楽棚には沢山のアナログやＣＤが並んでいる。
やや薄暗い店内には沼さんのチョイスした
これら音楽が心地よく流れ、
思わずバーボンが飲みたくなってしまう。
壁に貼られた外国映画のポスター達が更にそれを助長する。
約１５０種が揃うバックバーの酒達の中から、
アメリカ禁酒法時代にも医薬品として売られたという
グレンモア蒸留所の原酒を使用した
軽く柔らかな味わいながらちょっとクセがあり、
樽香甘き有名バーボンウィスキー「イエローストーン」を
ストレートで嗜みながら、音楽の話で今宵も盛り上がる。
「黄石」
「イエローストーン」の酒名は
ユタ州やコロラド州に隣接した
ワイオミング州の国立公園の名。
ラベルにはイエローストーン国立公園のシンボル、
オールド・フェイスフル間欠泉が描かれている。
１８７２年ごろこの公園が国立公園として開園したことに因み、
この銘柄が誕生し、
「ケンタッキーで飲める美味いバーボン」と呼ばれ
評判が各地へ広がり、
遠方の西部開拓民も買いに来る程になったそうである。
イエローストーンの創始者は、
現在のバーボンの大部分がその製法を取り入れている
「サワー・マッシュ（Ｓｏｕｒ ｍａｓｈ）方式」を開発・採用した
Ｊ・Ｗ・ダントの実弟：Ｊ・Ｂ・ダント。
ちなみにサワー・マッシュ方式とは
バーボンの発酵法の一つであり、
バーボン造りの過程において醗酵中に
バクテリアが繁殖し酸が発生してしまうと
折角のバーボンの味を大きく損ねてしまうために
その防止策として一度蒸溜した際に生じた蒸溜残液
（アルコール分が取り除かれた残液で「スティレージュ」と呼ぶ）
の上澄みを、新しく糖化させようとするコーンなどの
仕込み水に25％ほど加え、
72～96時間かけて醗酵させる方法であり、
繁殖抑制とともに発酵酵母の栄養分も補給され、
ウィスキーの香味の増加につながるという
画期的な製法である。
新大陸の酒「バーボン」と、
新大陸での過酷な労働の中で
仲間同士を励ましあうように歌い始められた
アフリカン・アメリカン達のブラックミュージック「ブルーズ」。
イエローストーンを飲みながら、
どこか想いはその時代のアメリカへ。。。
「ＪＥＹ’Ｓ ＢＡＲ」
京都市中京区西木屋町四条上ル
たかせ会館 ２Ｆ
075-212-1109
http://homepage3.nifty.com/jeys/
最寄り駅
河原町駅・四条駅より徒歩５分
お店一口メモ・・・
ウィスキー（バーボン・スコッチ）４００円～
カクテル、スピリッツ ５００円～
ビール ６００円～
とてもお手頃な価格設定です。
ちょっとお腹がすいた方には
プレーンオムレツ ５００円もオススメ。
夜８時から翌朝６時まで営業、
年中無休なので
いつでも時間を気にせずゆっくりと
音楽とお酒を味わえます。
