Compass
№48
Cocktails「大伴バー」
「無音」
池袋に「大伴バー」あり。
日本バーテンダー協会池袋支部長の経歴などを持つ
オーナーバーテンダー 大伴 忍氏。
独特な襟無しの白いバーコートを
いつもキリっと着こなす大伴さんは
レミー・マルタンカクテルコンペティション優勝の
創作作品「レミー・ルジュ」などカクテル作りの名手。
国内外における数々のカクテル・コンテストで
上位入賞経験を豊富に持つベテランバーテンダーであり
そしてバーファンの間でも有名な「こだわり」のお人である。
バーでしばしば入店後カウンターに座ったお客様が
「とりあえずビール下さい。」とオーダーするのを見かけるが
大伴さん曰く「ビールは食中酒です。
バーという所は食前又は食後においでになる場所であり
食前にアペリティフによって胃腸を刺激し
食欲を増進させるために立寄ったり
又美味しい食事の後にその余韻を楽しむ時間を過ごす為に
お客様のお好きなカクテルやウィスキー等を
提供させていただく場所です。
ですから、一般的に食中酒と言われるビ-ルやワイン
日本酒と言った種類の酒は取り扱っておりません。」
とそのオーダーを体よく断る。
そしてお酒を味わうことに専念していただくために
BGMも一切流していない徹底ぶりである。
そんな大伴バーで私がまず一杯目のドリンクとして
是非ともオススメしたい一品は
「大伴式ジン&トニック」ともいえる「ニートニック」だ。
大伴さんが主にフレッシュフルーツの果汁など
約10種類の素材をを調合した「ファンデ-ション」と呼ぶ
毎日ご自身で仕込んだ液体を配合した
とにかく美味しいロング・ドリンクスであり
一度味わうと病みつきになること必至である。
「合水」
私の大好きなアイラモルトウィスキー
「アードベック」の「TEN(テン)」のストレートと
その肴としては申し分ない一品、
根室産のサーモンジャーキー(鮭とば)を頂きながら
大伴さんとウィスキーへ加水する際に使用したり
チェイサーに使用する「ウォーター(水)」の話となった。
シングルモルトウィスキーが豊富な大伴バーで
使用する基本的なウォーターの銘柄は
「ハイランドスプリング」。
スコッチウィスキーの故郷:英国スコットランドの
ブラックフォード村産のウォーターだ。
塩分が少な目でミネラル分がバランス良く含まれており
飲用水としてもイギリスの人々に
広く親しまれている名水である。
大伴さんはある時英国や米国、
日本をはじめとする世界各地のウィスキーと
ハイランドスプリング、エビアンをはじめとする
世界各地のウォーターを手に入れ、5種類ずつ用意し
それぞれの飲み合わせを比較したが
やはり、英国のウィスキーは英国の水
日本のウィスキーは日本の水
米国のウィスキーは米国の水が
最も合うことを改めてご自身で確認し
確信なさったそうである。
いかにも大伴さんらしいエピソードである。
ウォーターばかりではなくドリンクやフードについても
常に最良のコンビネーションを考え
お客様へのサービスに最大限生かす方であり
必ずやご満足行く空間を提供してくれるであろう。
また大変律儀な大伴さんは
定期的にご自身のバー・エッセイがびっちりと
印刷された葉書を送ってくれくれるのだが
これが読み応えがありいつも待ち遠しい。
最後にはいつもこの言葉で締めくくられている。
「ドライ・マティニ、マンハッタン、サイドカー、
ギムレット、ダイキリ、マルガリータ‥乾杯!」
Cocktails「大伴バー」
東京都豊島区池袋2-47-12
スキャンテックビル 9階
03-5950-8484
http://www.geocities.com/ohtomobar/
最寄り駅
JR池袋駅北口より徒歩5分
お店一口メモ・・・
洋酒ファンなら池袋へ行く際には是非一度
足をお運び頂きたいお店です。
池袋観光協会公式認定カクテル
「ナイト・オブ・イケブクロ」&
「デイライト・イケブクロ」を味わってみてください。
大勢で行くよりも1~2人でカウンター席に
座るのがオススメです。