Ｃｏｍｐａｓｓ
№４７
「Ｍｉｌｅｓ Ｃａｆｅ」
「握手」
もうかれこれ１０年前にもなるだろうか。
東京に住み始めて間もなく
まださほど池袋の地理も熟知していない頃、
知人のジャズピアノ演奏者から
「池袋に今もマイルス・デイビスがいるよ。」と
突拍子もないことを突然言われ、
はて？何の事やら？？と
すっかり悩んでしまった記憶がある。
マイルスと言えばジャズファンなら誰もが知る
偉大なジャズトランペッターであり、
モダンジャズの帝王・ジャズの変革者として
常に自己の音楽と向き合い、
「ジャズ界のピカソ」とまで呼ばれたが
1991年9月28日に惜しくもこの世を去った
ジャズ・ジャイアンツのお一人である。
まさか天国へ召されたご本人が
池袋へご降臨なさったわけもあるまいが、
百聞は一見にしかずということで
早速お店の場所を聞き出し、
足早にその目指すお店へと向かった。
やや駅から離れた場所にあるビルの
エレベーターに颯爽と乗り込み、
期待に胸をふくらませてＢ１Ｆへ。
そしてエレベーターの扉が開いた。
と同時にカジュアルなスタイルの
お店のオーナーとおぼしき
一人のジェントルマンが
「Nice to meet you！！」と
はじめてお店を訪れたのにもかかわらず
大変フレンドリーにシェイクハンドを
求めて来るではないか。
「ＮＹ」
ＮＹのジャズライヴハウスを
彷彿とさせる雰囲気の店内。
ドリンク＆フードのオーダーは
キャッシュ・オン・デリバリー（代金引換渡し）。
そこがまたＮＹっぽい。
その壁のあちらこちらには
マイルスの写真やポスターが飾られ、
このオーナーがマイルスを
こよなく愛していることが一目瞭然である。
Mile's Cafeオーナー：マイルス小林氏。
実にフレンドリーで気さくな小林さんは
自らもトランペッターとしてステージに立ち
'50～エレクトリック時代の
マイルスの演奏スタイルを全て吹きこなす。
演奏時にサングラスをかけ、
ミュートを泣かせる小林さんの姿は
まさに和製マイルスである。
ジャズ演奏者の育成にも大変熱心な方で
初心者ジャムセッションなども大変積極的に展開し、
上達を目指す多くのジャズプレイヤー達が
夜な夜なこのお店に集いその腕を研磨する。
ここ最近は女性のプレイヤーも数多く、
男女問わずアットホームな雰囲気の中で
気合いの入ったセッションが進む。
そしてセッション後のカウンター席には
小林さんもミュージシャンもお客さんも入り交じり、
和やかで和気藹々とした楽しい会話が広がる。
ついつい終電間際まで長居してしまうお店である。
「Ｍｉｌｅｓ Ｃａｆｅ」
東京都豊島区池袋1-8-8
溝口ビルB2Ｆ
０３－５９５１－６８０７
http://www.milescafe.com/index.html
最寄り駅
ＪＲ・地下鉄池袋駅より徒歩１０分
お店一口メモ・・・
テーブチャージ、サービス料、消費税
すべて無しの良心的なお店です。
ドリンク類もバーボン６００円～と
大変リーズナブルです。
生ジャズを聴けるお店に入った事が
無いという方でも気軽に入れる
家庭的な雰囲気のお店です。
