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№42     

Authentic Bar 「 Kir(キール) 」


 

「厩橋」

 

赤城山の麓に都あり。

 

群馬県の中心部に位置し

 

かつては「糸の町」として栄え

 

群馬県の政治・文化・経済の中心として

 

約28万人の人口を持つ都市:前橋市。

 

古くは「厩橋(うまや)ばし」と呼ばれ

 

この名は現在利根川の流れているあたりに

 

「車川」という流れがありそこに架かる橋を

 

「駅家(うまや)の橋」と呼び名付けられ

 

その名が変化して現在の前橋となったそうである。

 

以前は主要道路側のビル地下にあったお店が移転し

 

少し離れた大通り沿いの1Fにお店をオープンした。

 

女性も気軽に入れそうなカフェの入り口を思わせる

 

ガラスドアを開けると心地よいJazzが聞こえ、

 

地下へと続く階段へ滑り込むと照明が落ちた店内に

 

アフリカ産のブビンガ材長さ9.3mある一枚板の

 

黒光りするバーカウンターが飲み手を圧巻する。

 

バックバーの横板と、テーブル席、その他の台は

 

杉の木、すべて無垢材で作られているそうである。

 

そのシンボリックなカウンタの中では

 

黒バーコートのバーテンダーが微笑みながら

 

「いらっしゃいませ。」と出迎えてくれる。

 

オーナーバーテンダー 楠木 康介氏。

 

 


「新鮮」

 

楠木さんは大変物腰やわらい方であり

 

「カクテル」そして「洋酒」に深く愛情を注ぐ。

 

楠木さんとは実は昔、銀座のバーをハシゴした

 

こともあり、大変勉強熱心なお人でもある。

 

カウンター後ろの中央右に掛かる黒板には

 

日替わりでカクテル作りに使用する

 

フレッシュフルーツをはじめとした

 

原材料が白チョークで書き込まれており

 

基本的にそれらの新鮮な果実や野菜を

 

タップリと使用したカクテル達は

 

このお店の人気メニューとなっている。

 

お店の名前となっている「Kir(キール)」は

 

辛口の白ワインにクレームド・カシスを

 

調合したスタンダードカクテルであるが

 

このKir(キール)という名前の由来は

 

フランス・ブルゴーニュ地方のディジョン市長

 

キャノン・フェリックス・キール氏の名にちなみ

 

彼がこのカクテルを最初に作ったとされている。

 

第2次大戦直後ディジョン市の白ワインと同地方の

 

カシスリキュールを組み合わせ作り上げた

 

このカクテルが公式行事には必ずアペリティフ

 

つまり食前酒として振る舞われたことから

 

その知名度を上げていったカクテルである。

 

楠木さんがお店を開店させるにあたり、

 

お名前の頭文字「K」を店名に織り込むために

 

このカクテルの名前を店名としたそうである。

 

モルトのアードベッグ・キルダルトン1980や

 

ダモワゾー15年、ロン・サカパ・センテナリオXO

 

といったラムなどカクテルだけではなく稀少な

 

ウイスキーやスピリッツ類なども豊富に準備されており

 

Bar初心者から上級者まで幅広い層にご対応なさっている。

 

そんな止まり木は今宵も地元の方々で賑わっており

 

移転後も順調にお客様の心を掴んでいっている。

 

前橋のメインバーとしてますます目を離せないな。

 

 


Authentic Bar 「Kir

 

前橋市千代田町4-1-15

 

027-219-1066

 

http://www.dan-b.com/kir/index.htm

 

最寄り駅

 

JR前橋駅より徒歩15分

 

お店一口メモ・・・

 

カクテル教室も開催なさっている楠木さん。

 

カクテル作りにはとことんこだわっており、

 

ジンジャーは生ショウガを使用する徹底ぶりです。

 

洋酒全般を勉強するにはオススメのお店ですね。

 

前橋へお立ち寄りの際は是非。