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№12    

「BAR SOMEYA」


 

「ビール党」

 

バーテンダーは普段どんなお酒を飲むのだろう?

 

何十、何百という種類のお酒を

 

取り扱う職業であるからには

 

きっと毎日我々が知らないような貴重なお酒を

 

飲んでいるに違いないとお思いの方も

 

沢山いらっしゃることであろう。

 

しかしながら意外とそうでもない。

 

「プロ野球見ながら飲むビールが一番美味いですね。

 

最近はモルトを中心にウィスキーも大好きです。」

 

気さくな笑顔で私たちと何ら変わりない返事を

 

我々へポーンと返してくださるのが

 

オーナーバーテンダーの染谷正勝氏。

 

当ホームページでもご紹介させて頂いている

 

札幌「PUBLIC BAR KOH(コオ)」に於いて

 

長年、大屋オーナーとともにお店の顔として

 

ご活躍なさっていらっしゃった染谷さんが独立し

 

念願でもあった御自身のお店をススキノにオープン。

 

一見どこか無表情で寡黙な方に見えるが、

 

実はそのようなこととは全く無縁の方であり

 

むしろその寡黙な瞳の奥には

 

お酒、そしてバーテンダーという職業への

 

情熱とこだわりを持つ御仁である。

 

お店はカウンター8席とテーブル1席の

 

こぢんまりしたお店だが、

 

これが何ともアットホームな雰囲気を醸し出し、

 

きっとこれも染谷さんの理想形なのであろう。

 

満席のカウンターのストゥールには

 

熟年の方から若い方まで

 

人情厚い道産子の洋酒ファンそして染谷ファンが

 

今日も一杯一杯をゆっくりと愉しんでいらっしゃる。

 

まだオープンして数年のお店だが

 

早くもススキノの本格バーとして

 

定着しつつあるお店であり、

 

今後も道産子達の素晴らしい止まり木になることは

 

必至な注目すべきお店である。

 

 


「白バーコート」

 

染谷さんはいわゆる「白バーコート」が

 

大変似合うバーテンダーのお一人である。

 

私は現在東京都内在住であるが、

 

都心のバーでは白バーコートを纏う

 

バーテンダーは比較的少ないと方だと思う。

 

しかし関西では白バーコートが主流であり、

 

大阪・新地あたりのバーになると、

 

白バーコートをきっちりと着こなした

 

落ち着いた風のバーテンダーの

 

カウンター内で大変気持ちよく

 

仕事をこなすところを拝見すると

 

このバーはまず間違いないと確信しつつ

 

普段の生活中には無いバーの空気の中で

 

ゆったりと呑む充実感を感じながら

 

なぜかお酒がいつもよりも美味くなる。

 

医者や研究者が着る白衣のように、

 

白衣をまとったバーテンダーは、

 

どこか理知的・紳士的に見えてしまうからだろうか。

 

店名にオーナー自身のお名前を入れると言うことは

 

ご自分のお仕事に確かな自信を持つという表れでもあり、

 

経験が浅く技量が乏しいバーテンダーが

 

いきなりそのようなことをしても不似合いであるが

 

染谷さんのように経験・技量ともに充実なさっていると

 

たとえオープン後数年のお店だとしても

 

妙にしっくり馴染むのである。

 

私も大好きなアイラモルトを中心に

 

ビンテージのシングルモルトも揃う

 

このバックバーのお酒達の中から

 

今宵はどの瓶の話で

 

モルトへの造詣も大変深い染谷さんと盛り上がろうか。

 

 


 

「BAR SOMEYA」

 

札幌市中央区南5条西4丁目

 

ソシアルビル 8階

 

011-531-0709

 

最寄り駅

 

札幌市営地下鉄南北線「すすきの」駅

 

出口4 より徒歩3分

 

お店一口メモ・・・

 

本当に肩に力が入らない

 

アットホームな雰囲気のお店です。

 

座席数が少ないと言うこともあり

 

隣のお客様とも気兼ねなく仲良くなれること

 

間違い無しのススキノらしいお店ですよ。

 

女性お一人のお客様でも

 

染谷さんが折り目正しい接客で

 

迎えてくれることと存じます。

 

チャージ1,000円、ウィスキー・カクテル500円~。


 

 

 

DRINKER'S COMMENT

   Name  ブラックモア

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COMMENT

さて、昨日ここのバー・インプレを参考に、

「バー・ソメヤ」さんに行って来ました。

 

白バー・コートの洒脱さもさることながら、

染谷氏のアイラモルトへの傾倒と知識の深さ

に恐れ入りました。

 

 

ボトラーズ、オフィシャル含め、20本以上

のアイラモルトのボトルを楽しげに

披露する染谷氏。そのほとんどが「カスク」

でした。

 

ボウモア1984はじめ、素晴らしいアイラ

を飲ませていただきました。

 

そして、最後に出されたアイラは一瞬にし

て、私のシングルモルトへの思いを

見事に変化させました。

 

「ブルイックラディ1966」

 

この味を一生忘れることはないと思います。

37年の歳月はウィスキーをただの飲み物と

して、存在させておかないんですね。

 

アイラ独特のヨウド臭が消え、旨みだけを感

じさせる味と香り。

(まるで部屋いっぱいに漂う感じでした)

心底、感動しました。

 

酒は美味くとも、「感動」というレヴェルま

での物ではなかろうと、

不遜な考えを持っていましたが、このブルイ

ックラディで全ては変わりました。

 

大袈裟な書き方ですいません。でも、本当に

素晴らしかったです。

 

染谷氏は本当に気さくな方でした。

これからも勉強させてもらいたいと思いま

す。