「ＴＨＥ　ＢＯＷ　ＢＡＲ」

「挿絵」

現在、お店は本間さんと奥様のお二人で切り盛りしている。

女優の真木よう子似の素敵な奥様はカウンターに立った当初、

バックバーに並ぶお酒達もヒュミドールに保管管理される

葉巻達もほとんど解らず、大変苦労した方だが本間さんが

選んだ女性だけあり、その知識の翼をどんどん広げている。

私が個人的に大好きな場面は、お客様には自信を持ってお酒を

薦める姿が何とも凛々しい本間さんだが、奥様に対しては

頭がなかなか上がらずひたすら受け手として応答している

やりとりを見ることであり、至極のモルトの肴には最高だ。

あれ？よく見ると本間さんってどこか坂本龍馬に似てるぞ。

ということは奥様はお龍さん、どこかＴＶで見たことあるな。

まあ、それはさておき、北海道に恩返しをしたいと積極的に

考動し続ける本間さんはまさに龍馬の如く海の向こうへと

積極的に船出している。フランス、イタリア、イギリスで

洋酒を買い付け、一方ではキューバでシガーを買い付けたり。

何とも羨ましい限りだが特筆すべきは「ロマーノ・レーヴィ」。

イタリア・ピエモンテのグラッパ職人ロマーノ・レーヴィ氏は

昔ながらの製法を頑固なまでに貫きハンドメイドでグラッパを

作り続けた世界一のグラッパ職人とも言われておりましたが、

2008年5月に他界なさいました。一般流通はまずしておらず

直接買いに行かなければ、分けてもらえないとさえ言われた

入手困難なボトル達は氏が自ら描いた絵本作家の挿絵の如く

可愛らしいエチケットが完成した分だけを手作業でボトリング

して作るため生産量も実に少なくマニア垂涎な銘柄である。

その挿絵は眺めているだけで心がほっこりするものばかりで

作り手であるロマーノ氏の優しさがジワッと伝わってくる。

これをコツコツと入手し、そのストックは全国のバーの中でも

池袋「The Crane」と双璧をなすお店だといってイイだろう。

日本からわざわざイタリアに三顧の礼を尽くしに向かった

本間さんの情熱には感服せざるを得ない。素晴らしいの一言。

天国のロマーノ氏も北海道で自分のボトルが大切にされてる

ということには間違いなく驚き微笑んでいるんだろうな。

「 ＴＨＥ　ＢＯＷ　ＢＡＲ」

札幌市中央区南４条西２丁目７-５

ホシビル８Ｆ

０１１－５３２－１２１２

http://www.thebowbar-sapporo.com/

最寄り駅

札幌市営地下鉄すすきの駅から徒歩３分

お店一口メモ・・・

札幌を代表するモルトバーの一つであり、

シガーのラインナップも大変豊富なお店です。

ウイスキー上級者はもちろん、初心者の方でも

本間さんがあなたにぴったりな一本を選んでくれます。

そしてモルトやグラッパが前面に出ておりますが

実は本間さんの作るカクテルの旨さもこれまた秀逸。

ウイスキーは苦手な方でも愉しめるお店ですよ。