Compass№159

BAR 橙の月ぼたん」


  

「新二」

 

東京「新宿二丁目」といえば、言わずと知れた

 

日本を代表する『ビッグ・ゲイタウン』であるが、

 

ここ最近ではノンケのファンも多いオープンな

 

街へと変貌しつつあり、かつての様なディープな

 

空気はずいぶん和らいできたと言えるだろう。

 

私ももちろんノンケの一人だが、私が二丁目へ

 

足を運ぶのはもっぱら「旨いお店」「イイお店」が

 

そこにあるからに他ならない。メインストリート

 

ともいえる「仲通り」中央にあるオープン形式な

 

スタンディングバー「advocates cafe」は気軽に

 

二丁目の雰囲気を楽しめるスタンディングバー。

 

外国人客も多いこのお店はカクテル類も豊富で、

 

食事前にサッと立ち寄る使い方が出来るのが嬉しい。

 

そして蕎麦好きな私が大好きなお店が「楽庵」。

 

都内でもなかなか旨いお店が少ない島根出雲地方の

 

郷土料理として有名な「割子そば」を楽しめるお店。

 

三段の丸い漆器に盛られた蕎麦に紅葉おろし等の

 

薬味をのせてその上からそば汁を注ぎ頂く蕎麦だ。

 

ラーメンなら「元祖 札幌や」。流行に左右されない

 

これぞ札幌ラーメンというべきオーソドックスな

 

懐かしい味わいの味噌ラーメンがオススメである。

 

そんな新宿二丁目に銀座のオーセンティックバーで

 

バーテンダー経験もある女性が高校生時代の友人と

 

共同経営という形で2009年4月にバーをオープン。

 

店名も個性的で男心、女心、そして二丁目らしくその

 

中間心をも掴んでしまいそうな素敵なネーミング。

 

「BAR 橙の月ぼたん」。

 

 


「夕陽」

 

「橙の月は夕刻に沈みゆく美しき夕陽を喩えました」と

 

オーナー唐澤愛女史は話す。彼女は前述の通り銀座の他、

 

神楽坂、千葉県内でバーテンダーとしてのご経験を経て

 

念願であった自店をココ新宿二丁目の地にオープンした。

 

「夕陽がまだある時間からお酒を楽しんでほしい」という

 

彼女たちの願いが込められた女性らしいネーミングである。

 

その後に続く「ぼたん」も「和」を感じる言葉であるが

 

神楽坂の和風バーの雰囲気をとても気に入った愛さんが

 

独立するに当たって「和」テイストを取り入れたいとの

 

思いから、親友であるじゅりさんと女性お二人だけで

 

ペンキ塗りをはじめ内装も全てやったというから驚いた。

 

「作業はとっても大変でしたが赤色のペンキを何度も

 

塗り重ねていくと不思議に色の深みも出てきました。」と

 

苦労話もニコニコ笑顔で話すじゅりさんは新宿二丁目の

 

リア・ディゾンとも呼ばれる麗人バーキーパーである。

 

内容は違えども同じ夜の仕事をしていた同郷のお二人が

 

意気投合して共同出資しスタートしたバーは新宿二丁目の

 

住人の方々をはじめ、都内のバーファン達、さらには

 

お二人が英語を話せることもあり、外国人のお客さんまで

 

幅広い客層が集うパブリックバー的存在のお店として

 

早くも人気店の仲間入りを果たし、お酒と手作りの料理、

 

そして粋な会話を愉しむお客さん達の笑顔が溢れている。

 

新宿二丁目の夕陽は実に温かい日差しが深夜まで差し込む

 

真っ赤な夕陽だなあなんて独り言を肴に今宵も杯を傾ける。

 

 


「BAR 橙の月ぼたん」

 

東京都新宿区新宿2-13-4

 

Jビルディング2F

 

03-3353-3839

 

http://blog.livedoor.jp/daidaitukibotan/

 

最寄り駅

 

地下鉄新宿三丁目駅より徒歩3分

 

お店一口メモ・・・

 

新宿二丁目に新たなバーの風を吹き込んだといえる

 

若手女性お二人による和風バー、「橙の月ぼたん」。

 

しかし和風とはいっても「バー」という洋の空気と

 

上手く折り合いをつけてオシャレな空間を創り出し、

 

赤を基調としたバー空間は最初こそ驚かされますが、

 

通うに連れてだんだんとシックリ来る様になるのが

 

なんとも不思議な華のある本格バーだと思います。

 

そんなお店は男性客が多いのかと思いきや、愛さんと

 

じゅりさんお二人の広い人脈もあり女性客も多く、

 

アットホームな空気に包まれた止まり木ですよ。

 

※大変残念ながらご閉店なさいました。