Compass №152

「ホッピー仙人」


  

「ラー」

 

今、私の目の前にはカウンターがある。

 

その内側には、かなりイカすオーナーが立つ。

 

さらに私の手元には大好きなお酒が確かにある。

 

ここをバーとして紹介するには一瞬迷ったが、

 

「バー」たる3要素が間違いなくあるではないか。

 

サラリーマンバー「ホッピー仙人」。

 

ここは横浜のディープゾーンといわれる「野毛」。

 

場末の香りタップリのこの街は、知る人ぞ知る

 

旨いモノと旨いお酒が楽しめる名店がずらり並ぶ

 

下町風情に溢れた最高にハッピーな盛り場だ。

 

その空気を一度吸ってしまった者は必ず虜になり、

 

「野毛ラー」と呼ばれる酒遊人も出現している。

 

中でも大岡川沿いの都橋商店街は雑居ビルの如く

 

建物内に飲食店がひしめき合い、俗っぽい空気が

 

あたり一面に立ちこめている魅惑的なエリア。

 

その2階で灯りを点す人気店で野毛ラーの方々と

 

仙人の作る極上のホッピーをプハーと味わう。

 

この「ホッピー仙人」こと店主の熊切憲司氏は

 

昼間はサラリーマンだが、夜には「仙人」となり

 

横須賀ではまったという「ホッピー」を提供する。

 

「ホッピー」とはビールテイスト飲料の一種であり、

 

焼酎割飲料として東京近郊のの大衆居酒屋では

 

大変人気の飲みモノで、どこかレトロなボトルが

 

飲み手の心をくすぐる。その飲み方も多種多様、

 

ジョッキに氷を入れる・入れない、焼酎銘柄、

 

グラスを冷やす・冷やさないなどマニアックな

 

部分も数多くある飲み物であり、ホッピーに愛と

 

こだわりを持つお客さん達が仙人のホッピーを

 

一杯飲みたいと夜な夜な集まってくるバーなのだ。

 

 


「究極」

 

仙人のホッピーバーはいつも常連さんを中心に

 

ほぼ満席状態が続き、一見さんは少し構えてしまう

 

空気がそこにはあるのだが、サッと入ってみると

 

仙人をはじめ野毛好きな皆さんがこちらどうぞと

 

優しく迎えてくれるアットホームなお店である。

 

きめ細やかでクリーミーな泡がたまらない三楽の

 

ホッピーを楽しんでいると、つい先ほど入ってきた

 

アロハ姿の常連さんが私の大好きな香川「一鶴」の

 

おやどりをわざわざ差し入れ。以前香川に出張した際、

 

「香川は讃岐うどんだけじゃなく一鶴も最高です。」と

 

丸亀に住む後輩に一鶴本店へ連れて行ってもらった

 

ことがあり、その支店が何と横浜市内にあるそうだ。

 

「じゃあ、みんなで食べようよ!」と仙人が少しずつ

 

お客さんに取り分けて、早速私もひと切れ頂戴する。

 

おお、何とジューシーな味わい。こりゃたまらない。

 

濃厚な肉汁の味わいはホッピーにもピッタリなのだ。

 

仙人も「これ、うまいね。」と一緒につまんでいるが

 

自分のお店に来る前に3軒ハシゴしてご機嫌な様子。

 

しかしホッピー調酒技術が完璧なのには驚かされる。

 

いわゆる大衆居酒屋のソレとは違いドリンク全体が

 

丸みを帯びており、すこぶるイイ味わいなのである。

 

その一杯一杯からはまさに仙人の「ホッピー愛」が

 

伝わってくる究極のホッピー。仙人、今日もありがとう。

 

 


「ホッピー仙人」

 

神奈川県横浜市中区宮川町1-1-214

 

都橋ビル2F

 

045- 242-1731

 

http://www.geocities.jp/hoppysennin/

 

最寄り駅

 

京浜急行日ノ出町駅より徒歩 6分

 

お店一口メモ・・・

 

ホッピーが好きな方には是非とも一度は

 

足を運んで頂きたいホッピー専門店です。

 

仙人こだわりの究極ホッピーに樽生ホッピー、

 

ホッピーカクテル、これら全て500円。

 

仙人が心と体を込めて!?作り出す究極の

 

ホッピーを是非ともご賞味下さいませ。

 

ちなみに野毛都橋商店街といえば、映画や

 

TVでもお馴染みの永瀬正敏が主演した

 

「私立探偵濱マイク」にも登場した事で

 

ご存じの方もきっと多いことでしょう。