Compass №141

「Bar gloire」


 

「栄光」

 

平成19年2月、バー激戦区北新地に注目すべきバーが

 

開店した。「Bar gloire(グロワール)」。

 

グロワールとは「栄光、栄誉、名誉」という意味を持ち、

 

梅田の名店「オーガスタ」品野オーナーの片腕として

 

ご活躍した丹羽栄公氏が満を持してオープンしたバーだ。

 

カクテルグラスをデザインした金色のネームプレートが

 

大変印象的な入り口のバードアを静かにオープンすると

 

全体的にブラウン系色に仕上げられた空間が広がり、

 

とても落ち着いた雰囲気はいかにも新地のバーらしく

 

これからも少しずつ成長していきそうな気配のお店である。

 

丹羽さんは福井県ご出身。大阪のバーテンダーの中には

 

女性も含めて福井ご出身の方が何人かいらっしゃるのだが

 

就職で東京ではなく大阪を希望する方も多いそうである。

 

ジントニックをオーダーし、新地のバーの話をしながら

 

ふとカウンター上に目を遣ると見慣れた一枚の切り絵が

 

飾られている。札幌の名店「Barやまざき」山﨑達郎氏が

 

得意とする横顔のシルエット。先日札幌へ行った際に、

 

山﨑さんに頂いたんですと嬉しそうに話す丹羽さんだが

 

その笑顔がなんとも純粋でこちらまで嬉しくなってくる。

 

そんな「癒し系」バーテンダーである丹羽さんが作る

 

料理達がこれまた旨かったりもする。中でもオススメは

 

デミグラスソースがタップリとかかった「オムライス」。

 

ピリっとしたデミがトロットロの玉子と良く絡み合い、

 

辛党の私にはたまらない美味しさ。チャームの料理も

 

盛りつけの美しさ、味付けともに高いセンスを感じる。

 

加えてお客様への愛情もタップリと加味された味わいだ。

 

 


「階段」

 

モルトファンにもお馴染みオーガスタご出身の丹羽さんは

 

もちろんウイスキーに造詣が深く、レアなモルトも揃う。

 

店内の照明はバーとしてはかなり明るめに設定されており

 

ボトルラベルも確認しやすいので選ぶのに苦労は無い。

 

大好きなVeryold Ardbegの30年をゆっくりと味わいつつ

 

今後の方向性について尋ねると「ウイスキーはもちろん、

 

カクテル、特にフレッシュなフルーツを使ったカクテルにも

 

力を入れていきたいと思っております。」と丹羽さんは話す。

 

素材を見て直感的にカクテルイメージを描き出す丹羽さんが

 

創り出すカクテル達は独創性があり、なかなか面白いなと

 

思わせてくれる「旬」なカクテル達もとても人気がある。

 

飲み口がイイものが多いので、ついつい飲み過ぎてしまい

 

気がつくとかなりイイ感じに酔ってることに気づく時があり

 

今宵も気がつくともう7~8杯は呑んじゃってる自分がいる。

 

これ以上呑んでしまうと流石に翌日の仕事に響くと思い、

 

「丹羽さん、本当にご馳走様でした。」と勘定をお願いする。

 

帰り際には丹羽さんがわざわざお店の外まで送ってくれる。

 

そうそう、グロワールは少し長い階段を上って2Fまで

 

上がらないとお店に辿り着かず、吉祥寺のBAR WOODYを

 

思い起こさせるアプローチであり、その階段を下まで降りて

 

見送ってくれる丹羽さんの笑顔が大変印象的な夜となった。

 

 


「Bar gloire」

 

大阪府大阪市北区曽根崎新地1-11-6

 

サクラビル2F

 

06-6344-0052

 

最寄り駅

 

JR北新地駅より徒歩3分、地下鉄西梅田駅より徒歩5分

 

お店一口メモ・・・

 

ガッチガチの街場オーセンティクバーではなく

 

ホテルバーのような落ち着いた雰囲気のあるお店。

 

カウンター席に座り、丹羽さんと話しながら

 

グラスを傾けるひとときは癒しに満ちております。

 

牛肉や羊肉を使った煮込み系の料理やフォアグラを

 

ソテーした料理など、どの料理も一工夫してあり

 

それらを楽しむのも良いのではないでしょうか。

 

今後ますますファンが増えそうな注目店です。