Compass №111

「BAR HATTA」


 

「潮祭」

 

昔からの友人が「久しぶりに余市なんてどうか?」との

 

誘いがありJRで一路ニッカウヰスキーの故郷へと向う。

 

蒸留所を見学し、有料試飲で竹鶴の35年を味わった後、

 

昼間から私が好きな余市を代表する老舗「ちどり寿し」で

 

余市産の天然鮎や白貝をアテに日本酒を頂き幸せを噛む。

 

北海道中央バス札幌駅前行きに乗車し、友人は真っ直ぐに

 

札幌へ帰るというのに私だけは小樽駅前で途中下車する。

 

時計を見ると時刻は18:00少し前。帰るにはまだ早い。

 

バスを降りて港町小樽の歓楽街「花園」へと歩みを進める。

 

約600軒の飲食店やスナックが軒を連ねる歓楽街であり、

 

今や数少なくなった「流し」も現役で活躍している街だ。

 

小樽を代表する「潮まつり」が近いのか、灯りが点る提灯が

 

あちらこちらにぶら下がり、何だかイイ雰囲気が街を包む。

 

「小樽」という地名はアイヌ語で砂の中の川と言う意味の

 

「オタルナイ」と呼ばれていたことが由来となっている。

 

目指すはここ小樽を代表するオーセンティック・バー、

 

1983年開店、「BAR HATTA」。

 

私がはじめに訪れた十数年前は入口があまり少々目立たず

 

酔ったまま行くとお店の場所が分からなくなったりして

 

何度もオーナーバーテンダーに電話を入れたりもしたが、

 

2年ほど前に入口やカウンターなどを改装したそうである。

 

蒼い門構えに金色の「BAR HATTA」の文字が映える。

 

バードアを静かに開けると少し若い頃の歌手:鳥羽一郎さんを

 

彷彿とさせるキリッとした顔つきの八田康弘氏が迎えてくれる。

 

八田さんは小樽を代表するバーテンダーとして北海道をはじめ、

 

全国のBarファンによく知られるバーテンダーのお一人である。

 

 


「日米」

 

まずはジントニックではじめ、サイドカー、ギムレット、

 

大好きなラフロイグのラスティ・ネールと呑み進めていく。

 

どのカクテルも骨格がシッカリと決まった落ち着きある味。

 

八田さんの他に地元の男子大学生と米国サウスダコタ州から

 

留学してきたブロンドヘアーの女子学生もアルバイトとして

 

バーテンダーの仕事をしており、二人を交えて日本のBarと

 

米国のBarの違いを中心に各国のBar文化について語り合う。

 

彼女の居住区では学生の飲酒が禁じられており、日本に来て

 

彼女が大好きなお酒を毎日呑めることが何よりの幸せだと

 

とても嬉しそうな笑顔で話してくれるのがとても印象的だ。

 

八田さんは小樽生まれ。実は八田さんのお母さんもお隣で

 

スナックをやってたりすることも小樽で日々お酒を愉しむ

 

ドリンカー達には有名な話であり、地元客で賑わっている。

 

そんな八田さんはもちろん顔も広く、居酒屋からBarまで

 

色々なオススメのお店のお話しを嬉しそうにしてくれる。

 

「ふるさん、小樽なら都通り『オーセントホテル小樽』の

 

チーフバーテンダー、野田君に是非会ってやってください。」

 

そんな会話で紹介して頂いたのは主にホテル系を中心として

 

国内の色々なカクテルコンペティションで多数入賞を果たす

 

野田浩史バーテンダー。大変嬉しいご紹介に深く感謝する。

 

最後に竹鶴のソーダー割で締め。八田さんの柔らかな接客に

 

包まれながら、余市からも近いここ小樽で呑む竹鶴の味わいは

 

やはり格別。小樽で呑む際には必ず立ち寄りたい1軒である。

 

※文中の女子留学生はアメリカへ帰国なさいました。

  


「BAR HATTA」

 

北海道小樽市花園1-8-18

 

0134-25-6031

 

最寄り駅

 

JR小樽駅から徒歩8分

 

お店一口メモ・・・

 

小樽を代表するオーセンティックバーです。

 

カクテルには季節のフレッシュフルーツを

 

使用しており、女性にも大変好評ですよ。

 

ギネスの樽生や小樽ビールなども揃い、

 

ビールファンのお客様も良く訪れます。

 

小樽へ観光なさる機会などがございましたら

 

ぜひお帰り前に足を運んで頂きたいお店です。