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№11    

「酒司 飛鳥」


 

「楽涼」

 

角倉了以(一五五四~一六一四)。

 

御朱印船による貿易で成功し、

 

京都の治水事業に業績を残した京都豪商。

 

その彼が慶長十六年(1611年)

 

方広寺の大仏再建の資材を運ぶために

 

鴨川の水量不足を鑑み、

 

全長約十キロの運河を新設した。

 

それが京都の涼看板・高瀬川である。

 

その由来は浅瀬でも使えるように

 

船底を平たくした和船の代表格である

 

「高瀬舟」が往来したことによる。

 

春夏秋冬それぞれに趣があり、

 

特に夏という季節に於いては

 

鴨川とともに「涼」を楽しむ京都の方々の

 

涼川となっている。

 

その高瀬川近辺には現在数々のバーが建ち並び、

 

バー激戦区となっているが、

 

その中にあって「名店」と呼ばれる

 

一軒のバーを紹介したい。

 

 


「見守」

 

バー「飛鳥」。

 

店の扉を開けると、

 

右手にスラリとバーカウンターが伸びる。

 

時計の針が午後9時を回ると、

 

地元の方々を中心にカウンター席は

 

お客さんで一杯である。

 

しかしワイワイがやがやとした

 

学生街の居酒屋のような雰囲気は無く、

 

お客さんそれぞれが

 

お酒を楽しんだり会話を楽しんだりと

 

それぞれの楽しみを落ち着いて味わっている

 

実に趣のある京都らしいバーである。

 

マスターの飛鳥成昌さんは

 

いつもカウンター越しに静かに構え、

 

お客さんたちの様子に気を配る。

 

決してご自身から積極的に

 

会話を楽しもうとするふうではなく、

 

どちらかといえば

 

「お客様を静かに見守る」方であり、

 

一人でじっくりお酒を味わいたい時や、

 

静かに物事を考えたい時などは、

 

是非訪れたいバーである。

 

 


「酒司 飛鳥」

 

京都市中京区西木屋町通

 

四条上る紙屋町674-5

 

075-255-4725

 

最寄り駅

 

阪急京都線河原町駅下車、

 

西木屋町通りを北へ徒歩5分。

 

京阪四条駅下車、

 

西木屋町通りを北へ徒歩5分。

 

お店一口メモ・・・

 

カウンター席とテーブル席1席のお店。

 

シングルモルトを含め、

 

洋酒の種類は豊富です。

 

値段はとてもお手頃で、

 

カクテル一杯700円~です。

 

カウンターのお隣のお客さんとも

 

気軽に会話できそうな雰囲気の

 

グッドバーです。

 

 

 

写真は昼間の高瀬川です。(提供:KyoPics