Compass №108

「Bar 鴻 Kohno」


 

「囃子」

 

四国東南部、 徳島平野の中心に位置し、

 

日本三大河川の一つ「吉野川」が流れる水の都。

 

そして日本を代表する民族舞踊である「阿波踊り」

 

発祥の地として毎年8月には多くの観光客で賑わい、

 

市内各所に設けられた演舞場では熱気につつまれながら

 

繰り広げられる「男踊り」「女踊り」に観衆も酔いしれる

 

人口約26万人を擁する徳島県都、「徳島市」。

 

その最大の歓楽街と言えば秋田町、栄町、鷹匠町一帯。

 

割烹からBarまで多種多様な飲食店がひしめいている。

 

今宵はその中の「栄町」の青いゲートをくぐって

 

ネオン街にあるお目当てのBarを目指し歩く。

 

1999年オープン、『Bar 鴻 Kohno』。

 

まずはバードアを開け、カウンター中央のストゥールへ。

 

耳を澄ますと店の外からは阿波踊りの祭囃子が聞こえ

 

「ああ、徳島に来ているんだな」と改めて実感する。

 

お店は元々スナックだったところを居抜きで使用した

 

とのことだがボトル棚が「山」の形をしているお店は

 

大変珍しく、徳島の名山として有名な「眉山」を

 

連想させる。旅心って奴がそうさせるのだろうか。

 

黒バーコートがよく似合う店長、鴻野 良和氏は

 

2006年6月に秋田キャッスルホテルで開催された

 

第33回NBA全国バーテンダー技能競技大会にて

 

創作部門第一位、総合第三位を受賞した実力派だ。

 

その両腕とも言える村上智美女史、細川靖弘氏も

 

折り目正しいサービスでくつろぎの空間を提供する。

 

お盆と言うこともあり、全国各地からここ徳島へ

 

帰省しているお客さんが多く、お顔を見て鴻野さんが

 

「久しぶり!元気?今、どうしてる?」と声を掛け

 

お客さんとの昔を懐かしむ姿がある。それはまるで

 

久しぶりに遊びに来た友人を自宅に迎えたような

 

鴻野さんの温かさとお人柄の良さが心に伝わってくる。

 

 


「阿波」

 

今夜は蒸し暑い夜なのでジン・トニック、角ハイと

 

ロング系でノドを潤した後、いよいよ満を持して

 

今回受賞作品「Besito(ベシート)」をオーダー。

 

スペイン語で「出会い」の挨拶を意味するそうである。

 

ホワイトテキーラをベースに使用し、マンゴスチンと

 

オレンジビターのリキュール、フレッシュライムを

 

加えた辛口でスッキリしたカクテルに仕上がっている。

 

デコレーションのピール形はポニーテールの女性。

 

ほっぺにキスマークが付いているのが何とも可愛い。

 

この日私は札幌から大阪経由で徳島へ来た訳であるが

 

私の隣には福岡から帰省した麗人がカクテルを愉しむ。

 

札幌と福岡に住む二人が何故かここ徳島で呑むなんて

 

まさに不思議な「出会い」であり、眼前のカクテルが

 

ここへ導いたのかななどと思いながら、鴻野さんも交え

 

徳島や四国のBarや酒場事情の話題でで盛り上がる。

 

鴻野さんが「NBA徳島ではこれを作成しております」と

 

渡されたのは「AWA 酔 MAP」と書かれたパンフ。

 

徳島市内のBarがカラー写真付きで紹介されており、

 

Bar巡りをライフワークとする私には最高の贈り物。

 

締めの一杯にラフロイグのラスティ・ネールを呑んだら

 

これを片手に徳島Bar巡りに出かけるとしようかな。

 

 


【AWA 酔 MAP】

「Bar 鴻 Kohno」

 

徳島県徳島市栄町1-67-2

 

橘ビル3F

 

088-624-0067

 

最寄り駅

 

JR徳島駅より徒歩13分、タクシー5分

 

お店一口メモ・・・

 

鴻野さんをはじめスタッフの皆さんが

 

大変気さくでバー初心者の方も安心出来ます。

 

初めての一見さんも何だか昔から通っている

 

馴染みのBarのように錯覚するかもしれません。

 

カクテルだけではなくウイスキーなども

 

大変豊富に取り揃っており、バランスの良い

 

洋酒のラインナップがお客様を満足させるでしょう。

 

「阿波の国」を代表するBarとしてこれからも

 

注目していきたい本格バーの一つです。